廃材と感情を融合したデザイン:「Steel U」

Joey van Beekによる感情を具現化したバーカウンター

産業廃材と感情の融合から生まれたユニークなバーカウンター「Steel U」。デザイナー、Joey van Beekが自身の感情を具現化し、廃材を再利用することで、一見無機質な素材に新たな命を吹き込んだ。

Joey van Beekは、父親と共にコンベヤーを製造する会社を経営している。彼が目指したのは、機能性だけでなく、生産性を高めるオフィス空間の創造だった。そのインスピレーションは、彼が愛するインダストリアルデザインから得たもので、スクラップメタルの中に見つけたテーブルトップに目を引かれた。そのテーブルトップが見える位置に立つことで、彼は自身の感情を具現化しようと考えた。

「Steel U」は、感情とスクラップメタルの再利用を組み合わせた作品である。テーブルトップは70mmの厚さの再利用鋼で作られ、2つのコンクリートブロックに支えられている。これらは鍛造によって形成された補強鋼でつながれている。ブロックの形状は、テーブルの所有者が作り出す。

テーブルの製作過程は、まず型にスムーズなコンクリートブロックを流し込み、それを所有者が大槌やジャックハンマーで破壊するというもの。このプロセスにより、所有者の感情が具現化され、テーブルに込められる。

テーブルトップは、機械部品の製造に使用されていた70mmのS355鋼で作られている。形状は酸素切断工程で作られ、プレートからこれ以上部品を取り出せなくなった時点でスクラップメタルとなる。2年間の雨と日差しの中でその外観が生まれ、補強鋼棒はまずアーチ状に鍛造され、次にテーブルトップに溶接された。

このデザインは、2022年のA' Fine Arts and Art Installation Design Awardでアイアン賞を受賞した。この賞は、プロフェッショナルで産業的な要件を満たし、業界のベストプラクティスと優れた技術特性を統合した、実用的で革新的な創造物に授与される。それは満足感とポジティブな感情を提供し、より良い世界に貢献する。

「Steel U」は、過去に基づき、現在で創造され、未来を刺激する意図で作られたデザインである。再利用された鋼のテーブルトップと、物理的な感情で破壊されたコンクリートの脚の組み合わせは、デザインプロセス中に物理的および精神的な課題をもたらしたが、最終的には充実感をもたらすデザインに結実した。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Joey van Beek
画像クレジット: Joey van Beek
プロジェクトチームのメンバー: Joey van Beek
プロジェクト名: Steel U
プロジェクトのクライアント: Industrial Office


Steel U IMG #2
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Steel U IMG #4
Steel U IMG #5
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